赤十字病院とは、日本赤十字社という団体が運営している病院事業の中の一つです。このため赤十字病院で仕事をしている看護師は、団体職員扱いとなって、厳密にいうと公務員ではありません。しかし赤十字病院という医療機関自体は、公的な医療機関とみなされています。このため給料をはじめとした待遇に関しては、国公立の医療機関に準じた給料形態となります。このことから、国公立の職員の給料形態に準じているのであれば、公務員の給料形態と一緒なので事実上同じ扱いが受けられるという話になっているようです。これは部分的には確かに合っているのですが、一方で部分的には誤った情報も含まれています。
公務員の場合、よほどの不祥事でも起こさない限り、解雇されることはありません。また自治労などの発言権も強いので、なかなか給料の減額ができません。しかし赤十字病院の場合、公立の病院ではなく、それぞれの病院で独立採算制をとっています。このため、もし収益がきちんと出ていないのであれば看護師に対して給料カットや場合によってはリストラなども行われています。ひとたび赤十字病院として就職できれば公務員のように、将来安泰だとは言い切れませんのでこの部分は注意する必要があります。また公務員の給料に準じますので、もし公務員の給料が減額になった場合には収益のいかんを問わず、即反映されるケースも考えられます。
このように言われると赤十字病院には、給料面ではいいことないがようなイメージを持たれてしまいます。しかし世界的な団体が運営する病院なので福利厚生の制度は一般的な民間の病院と比較するとかなり充実しているといえます。その中でも特に赤十字病院が民間病院の看護師と比較して厚遇されているとみられるのが、退職金に関してです。基本給×勤続年数で計算される所が多いので、長く勤めれば勤めるほどかなりまとまった金額が手に入ります。セカンドライフの資金として活用できます。